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障害年金の基礎知識

目次

障害年金は病気やケガになったときに生活を支える公的な年金です

障害年金は、病気やケガが原因で生活や仕事に支障がある場合、生活を支えるために、障害の重さに応じて支払われる公的な年金です。日本国憲法第25条第2項(国の社会保障的義務)にもとづいて運用されている社会保障制度となっています。
障害年金は、視覚障害や聴覚障害、肢体不自由などに限らず、精神障害・知的障害、がん・糖尿病・心疾患・呼吸器疾患・難病など、ほとんどの傷病が対象になります。

憲法25条、社会保障との関係について、もう少し詳しくお知りになりたい方は、下記のブログをご覧ください。

障害年金を受給するために必要な要件

障害年金を受給するためには、次の3点が問われます。

A. 「初診日」にどの保険制度に加入していたか
B. 保険料を適切に納付していたか
C. 「障害認定日」時点の障害は、障害年金を支給する程度の重さだったか

※「初診日」とは、障害の原因となった病気やケガのため、はじめて医師または歯科医師の診療を受けた日のことをいいます。
※「障害認定日」とは、一般的に「初診日」から1年6ヶ月経った日で、「障害の程度」を認定する日のことをいいます。

これから順に、この3つの条件について説明いたします。

A.初診日にどの保険制度に加入していたかで、受給できる障害年金の種類が異なります

公的年金には、自営業・主婦・学生などが加入する「国民年金」、会社員や公務員が加入する「厚生年金保険」があり、誰もがいずれかの公的年金に加入することになっています。
これらの公的年金には、老後の生活を支えるための「老齢年金」、障害になったときの生活を支えるための「障害年金」、配偶者が亡くなったときの生活を支えるための「遺族年金」もあり、この「障害年金」には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」という2種類があります。

初診日(病気やケガのためにはじめて医師の診療を受けた日)に国民年金に加入していた方は「障害基礎年金」、厚生年金保険に加入していた方は「障害厚生年金」の支給対象です。

厚生年金保険の被保険者は、自動的に国民年金の被保険者にもなります。そのため、障害の重さが1・2級の程度に該当するときは、障害厚生年金に加えて障害基礎年金もあわせて支給されるのが大きな特徴です。

初診日にどの制度にも加入していないと、初診日に20歳未満のとき、60歳以上65歳未満のときを除いて、障害年金を受給することはできません。

(1)障害基礎年金(国民年金)
障害基礎年金は、初診日に下記のいずれかを満たしており、保険料の納付要件を満たし(次の②を除く)、障害認定日の時点で「障害の程度」が障害等級の1・2級のいずれかの状態に該当する場合に支給されます。

①国民年金の被保険者
②国民年金の被保険者となる前(20歳未満)
③国民年金の被保険者資格を失った後(60歳以上65歳未満)

障害認定日時点で障害等級に該当しない場合でも、65歳の誕生日の前々日までに障害等級に該当し、かつ65歳の誕生日の前々日までに請求したときにも支給されます。
「保険料の納付要件を満たすこと」についてはB項で、「障害等級に該当すること」についてはC項で説明します。

(2)障害厚生年金(厚生年金保険)
障害厚生年金は、初診日に厚生年金保険の被保険者であり、保険料の納付要件を満たし、障害認定日に障害等級の1・2・3級のいずれかに該当する場合に支給されます。
障害基礎年金と同様に、障害認定日時点で障害等級に該当しない場合でも、65歳の誕生日の前々日までに障害等級に該当し、かつ65歳の誕生日の前々日までに請求したときにも支給されます。

(3)障害手当金(厚生年金保険)
初診日に厚生年金保険の被保険者であり、初診日から5年以内に治癒(症状が固定し)した場合、その治った時点で障害厚生年金を受けるレベルよりも軽い状態であるが「障害の程度」には該当し、保険料の納付要件を満たす場合に支給されます。

なお、治った日から5年以内に請求しないと時効により受給できなくなるので、注意が必要です。

B.障害年金の支給には、保険料が適切に納付されていたか確認されます

障害基礎年金も障害厚生年金も保険の仕組みにのっとって運用されていますので、障害年金を受給するためには保険料がきちんと支払われていたかチェックされます(初診日が20歳前にあるときは、この要件は問われません)。
保険料がきちんと支払われていなかった場合(未納の場合)には、障害年金の受給はできません。ただし、全額免除の申請や学生納付特例などの申請がされていた場合は、未納になりません。

保険料がきちんと支払われていたかは、初診日を基準にして次の条件で確認されます。

1年要件
・初診日が2026年4月1日以前であること
・初診日において65歳未満であること
・初診日の前日において、初診日の月の2ヶ月前までの1年間に保険料の未納がないこと

たとえば、下記図のように初診日が2020年12月であったとき、初診日の前日時点で、2ヶ月前の2020年10月までの1年間(2019年11月~2020年10月)に未納がなければ、保険料の納付要件を満たします。
この1年要件で保険料の納付要件を満たさない場合、被保険者期間の全期間の保険料の納付状況を次の「3分の2要件」で確認します。



3分の2要件
3分の2要件では、初診日の前日時点で、国民年金の被保険者になった20歳になった月(20歳の誕生日の前日の月)から、初診日のある月の2ヶ月前までの期間のうち、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間・共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上を占めれば、保険料の納付要件を満たします。

C.障害年金の支給には、「障害の程度」を確認する日に条件に該当するかどうかが確認されます

障害年金を受給するためには、「障害の程度」を確認する日において、次の条件に該当する必要があります。この「障害の程度」を確認する日のことを「障害認定日」といいます。

障害認定日は、一般的には「初診日から1年6ヶ月が経過した日」を指します。たとえば、初診日が2020年5月10日であれば、障害認定日は2021年11月10日です。2021年11月10日の時点で図に示した「障害の程度」の条件に該当すれば、障害の程度要件を満たすことになります。

なお、障害認定日の時点で「障害の程度」が条件に該当しない場合は、その後に重症化した時点で障害年金を請求することになります。

「障害の程度」は、国民年金法および厚生年金保険法にもとづいて定められています。



障害の認定にあたっては、さらに詳しく「障害認定基準」にて定められていますので、そちらも確認する必要があります。

※障害年金の「障害の等級」と障害者手帳の「等級」はまったく別の方法で判定されますます。

障害年金の請求方法

ここでは基本的な4つの方法の基本的な考え方を説明します。詳細な条件は年金事務所や市役所にて申請される際にご確認ください。

ポイントとなるのは「いつの段階で『障害の程度』が障害等級に該当したか」です。

「障害の程度」は、障害認定日時点(原則として障害認定日以後3ヶ月以内)と、請求日時点(請求日から3ヶ月以内)の状態でしか請求が認められません。一番症状の重かった時点を選んで請求できるわけではありませんので、注意が必要です。

①障害認定日時点で請求をする方法

障害認定日の時点で「障害の程度」が障害等級に該当し、障害認定日から1年以内に障害年金を請求する場合です。障害認定日以降3ヶ月以内に発行された診断書が必要です。診断書はカルテにもとづき書かれるものであるため、その時点で通院していたことが必要です。
この場合、障害認定日の翌月分から障害年金が支給されます。

②障害認定日までさかのぼってその月の翌月以降の支給を受ける方法

「障害認定日に『障害の程度』が障害等級に該当していたが、障害年金を請求できることを知らなかったため請求が遅れてしまった」といった場合に、できるだけ過去にさかのぼって障害年金を受給する際に行います。
申請の際は、障害認定日以後3ヶ月以内の状態が記された診断書と、現状が記された診断書の2通が必要になります。

この場合、障害認定日の翌月分から障害年金が支給されます。ただし、さかのぼれる期間は最長5年間です。

③障害年金請求月の翌月以降の支給を受ける方法

「障害認定日時点では『障害の程度』が軽かったが、その後、障害年金に該当する程度に重くなった」「障害認定日時点に通院していなかったため、その時点のカルテがなく、診断書が得られない」といった場合などは、この方法になります。
申請には、現状が記された診断書が必要です。

この場合、障害年金の支給は請求月の翌月分以降の年金が支給対象となります。

④初診日が20歳前にあるとき

「初診日が20歳未満であったため、初診日に厚生年金保険の被保険者でなかった」という方が請求する場合の方法です。
障害認定日の時点で20歳になっていなかった場合、20歳の誕生日の前日に受給権が発生します。
障害認定日が20歳を過ぎた日のときは、その日に受給権が発生します。

ほかの請求方法同様、障害認定日に障害等級に該当しない場合は、65歳の誕生日の前々日までに障害等級に該当したときに、65歳の誕生日の前々日までに請求します。

⑤初診日について詳しく知りたい方へ

ブログ ”初診日はいつになるのか” で、いくつかのケースに分けて初診日がいつになるのか説明しています。初診日はいつ? 初診日について詳しく知りたいと思われたら、ぜひご覧ください。

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