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障害認定基準で決まる障害等級

1.障害年金の障害の程度は内閣が定めた政令で決められています。

何級の障害年金が支給されるかは障害の程度により決まります。

ではその障害の程度(重さ)はどのように決まるのでしょうか。

障害の程度は、

 障害基礎年金と障害厚生年金共通の1級、2級は「国年令別表」に、
 障害厚生年金独自の3級は「厚年令別表第1」に、
 同じく障害厚生年金独自の障害手当金は「厚年令別表第2」に

政令により定められています。

政令は法律を実施するために内閣で制定されたルールです。

2.「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」でさらに具体的な基準が定められています。

これらの「国年令別表」や「厚年令別表第1」、「厚年令別表第2」をより具体的な基準として定められたのが「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」です。厚生労働省(当初、社会保険庁により発出されました)が定めたものです。

障害の程度により、障害年金が受給できたり、できなかったり、できても、等級によって受給できる金額も違えば、家族に対して加算がつくか、つかないかも異なります。また生活保護を受給されている方であれば障害者加算がつくかどうかも変わってきます。

そのため、政令をより具体的な基準として、公平で公正に合理的に行うことができるようにしたものが「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」です。

3.障害等級の判定は「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」にもとづき行われます。

障害年金を請求すると、障害等級の判定は「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」にもとづき行われます。

決定の結果に不服があって、審査請求、再審査請求に進んだ場合も、障害等級はこの「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」にもとづき判定が行われます。

ですから、障害年金を申請するときは、自分の障害がどの程度なのか、「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」で知っておくことが必要です。

4.「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」で定められた障害の状態

(1)1級

「他人の介助を受けなければほとんど自分の用を済ませることができない程度」とされています。

たとえば、身のまわりのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできない、または行なってはいけない状態で、
病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られ、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね就寝室内に限られるもの、とされています。

(2)2級

「必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活はきわめて困難で、労働により収入を得ることもできない程度」とされています。

たとえば、家庭内のきわめて温和な活動(軽食づくり、下着程度の洗濯等)はできるが、それ以上の活動はできない、または行なってはいけない状態で、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られ、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるもの、とされています。

(3)3級

「労働が著しい制限を受けるかまたは活動に著しい制限を加えることを必要とする程度」、また「傷病が治らないもの」にあっては、労働が制限を受けるかまたは労働に制限を加えることを必要とする程度」とされています。

なお「傷病が治らないもの」については、障害手当金に該当する程度の障害の状態がある場合であっても3級に該当すると定められています。

(4)障害手当金

「「傷病が治ったもの」であって、労働が制限を受けるかまたは労働に制限を加えることを必要とする程度」と定められています。

5.「障害認定基準」で詳しい基準を見てみましょう

障害認定基準は、日本年金機構のホームページ(次のボタンをクリック)からダウンロードしてご覧いただけます。

障害認定にあたっての基準の中で、障害の程度は、障害の種類別に第1節から第19節までに分かれて記載されています。

第1 節 眼の障害

第2 節 聴覚の障害

第3 節 鼻腔機能の障害

第4 節 平衡機能の障害

第5 節 そしゃく・嚥下機能の障害

第6 節 音声又は言語機能の障害

第7 節 肢体の障害

第8 節 精神の障害

第9 節 神経系統の障害

第10 節 呼吸器疾患による障害

第11 節 心疾患による障害

第12 節 腎疾患による障害

第13 節 肝疾患による障害

第14 節 血液・造血器疾患による障害

第15 節 代謝疾患による障害

第16 節 悪性新生物による障害

第17 節 高血圧症による障害

第18 節 その他の疾患による障害

第19 節 重複障害

ご自身の病気がどれに該当するのか等、ご不明な場合は社労士にご相談されることをお勧めします。

6.国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドラインについて

精神の障害については、平成28年に、各都道府県で、障害認定に地域差が生じないように等級判定のためのガイドラインが設けられました。

この等級判定ガイドラインには、障害等級の目安を見ることができるマトリックス表が記載されています。

この表は縦軸が、「日常生活能力の判定」の平均値が6段階に分かれており、横軸は、「日常生活能力の程度」が5段階に分かれており、縦横の交わるところに該当する等級の目安が記載されています。

この目安は「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」の5ページに記載されています。

この「日常生活能力の判定」、「日常生活能力の程度」は、精神の診断書の裏面に記載されるものですが、「国民年金・厚生年金保険 診断書(精神の障害用)の記載要領」の9ページ目以降に記載されていますのでご覧願います。

詳しい見方は、またブログでご紹介いたします。

実際の認定にあたっては、就労の状況も考慮されて行われるため、このマトリックスの表から得られた等級は「目安」とされています。

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